見えないアナタへ〜SHORT STORY〜
いろんなことを考えながら歩いていた。
そして、ふと河原に目を向ける。
そうすれば華にあえるような気がして。
…華のことばかりが頭をよぎって。
……考えるのは止めよう。
俺は聞き慣れたメロディーを、心の中で唄いながら歩く。
いつもの俺でいるために。
目の前の景色は、何日も通った学校に変わった。
沢山の人間、鳴り響くチャイム…。
学校は俺の嫌いなものしか溢れていないんだ。
…それなのに……。
なんで、毎日通っているんだ。
サボる方法だってあるのに。
本当は…、
本当は、わかっていたんだ。
俺はこの世界を嫌ってるわけじゃなく…、
この世界に馴染めない自分を嫌ってるんだ…って。
いつでも怖がって、自分が世界に溶け込んで消えるのを怖がって。
そんなわけないのに。
だれかにずっと、認めてもらいたかったんだ。
俺は、俺である……と。