ミックスラブルス
「そうなんだ、私もストレートにリターンを打てるようになりたいから後で教えてね」

花原さんはわくわくしながら言ってきた。

「いいよ、後でね」

俺は花原さんに頼まれたのがうれしくて笑顔で答えた。

「ありがとう、だけど今は試合に集中しよう」

そう言って花原さんは自分の配置に向かっていった。俺も自分の配置に向かって試合に集中した。相手のサーバーは全員が位置に着いたのを確認したらサーブを打ってきた。

花原さんは逆サイドに打ち返した。相手も俺に取られないように逆サイドに打ち返した。ラリーはお互い5回づつ打ち合って、相手が俺の近くに打ってきたので俺は相手のボレーヤーの足元メガケテボレーを打ち込んだ。相手のボレーヤーがラケットを出すこともできずポイントが決まった。

「ゲーム高畑・花原、1ゲームストゥー0、高畑・花原ペアリード」

俺たちはゲームを先取することに成功した。

「やったー、まずは1ゲーム取ったね」

花原さんが近寄ってきた。

「そうだな、この調子でゲームを取ってくか」

俺はベンチに向かいながら言った。

「そうだね・・・あ、サーブどっちから打つ?」

花原さんがサーブをどっちから打つか聞いてきた。

「そうだねぇ・・・俺はどっちでもいいけど花原さんはどっちがいい?」

俺は自分だけでは決めてはいけないと思って花原さんの意見を聞くことにした。

「私はあまりサービスエースを取れないから高畑君が打ったほうが言いと思うよ」

花原さんは考えながら俺からサーブを打つことを勧めてきた。

「いや、こういう時はサービスエースを狙うよりダブルフォルトが少ないほうがいいと思うんだ」

俺は確かにサービスエースを取りにいける人はすごいと思うけどその人だってサーブが入るから攻められるわけだしそれはそれで羨ましいけど徐々にやっていくのがいいと思ったからダブルフォルトをしないほうがすごいと思っていた。

「そうだね、だけど私は高畑くんに打ってもらいたいなって思って・・・」

花原さんは俺に押し付けたと思っているのか申し訳なさそうに言った。

「花原さんがそう言うなら試しに俺からサーブ打ってみるか」


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