ミックスラブルス

俺も花原さんにつられて笑顔で言った。

「うん、じゃあサーブよろしくね」

そう言って花原さんは自分の配置に着いた。

「おう、集中集中」

俺は試合に集中してからサーブを打つ構えをした。

「うおりゃあ」

俺は大声を出して気合を入れながらツイストサーブを打った。球は真ん中センターに入った。相手はバックの構えをしながらボールに近づいてきた。だが、球は相手のフォア側にすごいスピードで曲がっていった。相手は何も出来ずに球は相手の横を通り過ぎた。

「ゲーム高畑・花原、６ゲームストゥー０、Win高畑・花原ペア」

俺たちは初めてにしてストレート勝ちした。あまりに嬉しかったから騒ぎそうになったけど最後の挨拶が終わるまで必死に堪えた。

「れい」

「ありがとうございました」

最後の挨拶が終わった。

「やったね高畑くん、私たち本当に勝っちゃった」

花原さんが満面の笑顔で話しかけてきた。

「そうだな、やればできるもんだな」

俺もあまりの嬉しさに自然と笑顔になっていた。

「そうだね、最後の２ポイント高畑くんのサービスエースだったもんね、あれは本当にすごかったよ」

花原さんは俺の顔を見ながら言った。

「ありがとう、花原さんに褒められるとすごく嬉しいよ、だけど花原さんだってすごかったよ」

俺は今回の試合を通して正直に花原さんがすごいと思った。

「そ、そんな・・・でもありがとう高畑くん」

花原さんは笑顔で照れているのかもじもじしながらお礼を言ってくれた。

「高畑、花原、おまえらすごくいいダブルスの試合だったぞ、これからもっと強くなれよ」

雷門部長が拍手をしながら俺たちに近づいてきた。

「ありがとうございます雷門部長」

俺たちは雷門部長に礼を言った。

「りさ～、すごかったよ今の試合」

上川さんがすごい勢いで花原さんに飛びついた。

「そんなことないってさやったら～」

花原さんは恥ずかしそうにしながら言い返していた。

「どうだった、花原さんとのダブルスは?」

後ろから声が聞こえたから振り返るとそこには光輝が立っていた。

「悪くないな、すごく動きやすかったし」

俺は花原さんと上川さんの様子を見ながら光輝に言った。