ミックスラブルス

「はい」

誰もが新入部員が来てくれたことが嬉しくて、明るい大声で返事をした。

「じゃあ先に新入部員、順番に自己紹介をしてくれ」

上島先生が新入部員たちに言った。
そしたら新入部員たちは順番に自己紹介を始めた。
最初は男子から自己紹介していって、男子の次に女子の自己紹介をしてもらった。
そしてあっという間に最後の一人になってしまった。

「里内　ゆやです、一生懸命頑張りますのでお願いします」

俺はそう言っていた里内さんがすごくかわいくってドキッとした。

長い髪をリボンで頭の両側を縛っていて、その髪型に合うかわいい顔立ちをしていた。

「なぁ、里内さんだっけ、かわいくねぇ」

俺の周りの男子陣が里内さんのあまりのかわいさにどよめいた。

「はい静かに・・・というわけだ、それじゃあ部活の代表して雷門、一言新入部員によろしく」

上島先生がそう言って雷門部長を新入部員たちの前に押し出した。

「分かりました」

雷門部長は返事をして話し始めた。

「私はこのテニス部の部長をしている雷門　勝です。みんさん入ったからには精一杯頑張って下さい。私たちは君たちと仲良くやっていけることを望んでいます。それではこれからよろしくお願いします」

雷門部長らしい話で俺たちテニス部は新入部員を温かく迎えた。

「じゃあ今日一年は最初は見学から始めるぞ、お前らは練習に戻れ」

上島先生はそう言って一年生に何してもらうか考えていた。

「よし、じゃあ練習に戻るぞ」

雷門部長が俺たち部員に言った。

「はい」

みんな返事をしてコートに向かった。俺も後に続いてコートに向かっていると、光輝が俺の隣に来た。

「なぁ龍、新入生の中に良い子いたか？」

光輝は面白そうにニヤニヤしながら聞いてきた。

「俺をお前と一緒にするな」

俺は光輝が求めている答えが大体分かったから呆れて何にも答える気になれなかった。

「なんだよ～、龍の好みを聞き出そうと思ったのによ」

光輝はぶぅーぶぅーと膨れっ面になっていた。

「そんなことより早くラケット持って練習しろよ」

俺は自分のラケットを取りながら光輝に言った。

「へ～い」

光輝はそう言って自分のラケットを取りに行った。