ミックスラブルス
光輝が俺もと言わんばかりに迫ってきた。
「お前は自分で買え」
俺は呆れてため息をついた。
「光輝行くぞ」
俺は時間がたっているのに少し焦りながら光輝を引っ張って先を急いだ。
「お兄ちゃんまたね~」
菜々が笑顔で手を振ってきた。
「またな」
俺は返事をして教室に光輝と向かった。
教室に入ると一年の時から仲が良い友達・上川さやさんがいた。
「おっはよ~」
上川さんがめちゃくちゃ明るい笑顔で近づいてきた。
上川さんは光輝と春休み前に付き合い始めた彼女で、同じテニス部に所属している。
「おはよう」
そう俺らが返事をした。
「おはよう」
上川さんの後ろにいた上川さんの友達・花原りささんが挨拶してきた。
花原さんはいつも上川さんと一緒にいる友達、同じテニス部所属で僕が片想いしている人、だけどなぜか俺と話す時だけ恥ずかしがるのだが、他の人だととても明るく話をしている所が気になる人。
「またこの4人同じクラスで生活するんだな」
嬉しそうに光輝が呟いた。
「そうだよ、私達同じクラスだよ、すごく嬉しい」
上川さんが満面の笑顔で光輝に飛びつき、ギュッと抱きついた。
「そうだな、俺もさやと一緒で嬉しいよ」
光輝はギュッと抱き締め返した。
「光輝顔真っ赤になってるよ~」
上川さんがニヤニヤしながら光輝の顔を覗き込んだ。
「そういうさやだって顔真っ赤だぞ」
光輝は照れながら言い返した。
「真っ赤になったってしょうがないじゃん、好きな人に抱きついてるんだから舞い上がっちゃうよ」
さやは照れてるのがバレないように光輝の胸に顔をうずめながら答えた。
「そんなの俺も一緒だよ」
光輝は上川さんを抱き締める力を強めた。
「あの二人はほっときましょ」
花原さんが俺に言いながら二人を羨ましそうな目で見ていた。
「そうだね、すごく近寄りがたい空気だし」
俺は二人を羨ましく思った。
「二人が羨ましいの?」
花原さんが俺の顔を覗き込みながら質問してきた。