ミックスラブルス

その後はコートの外で他の人がやっている試合を見てもっと強くなるための情報を探していた。そしたらいきなり背後から女子に名前を呼ばれた。

「高畑先輩ですよね？」

一年生の女子に呼ばれて俺はついびっくりしてしまったが、落ち着いて振り向いた。その瞬間まさかと思って俺はびっくりした。

「き・・・君は確か、里中さんだったっけ？」

俺はさっきの自己紹介を聞いていたから知っていたけど一応確認してみた。

「もう覚えてくれているんですか～、うれしいです。そうですよ、私は里中　ゆやです」

そう言いながら里中さんは嬉しそうに笑っていた。

「そう、まぁ喜んでもらえてるならいいか」

俺は正直一瞬里中さんの笑顔がすごくかわいく見えてしまった。

「それで実は高畑先輩にお願いがあるんですけど」

里中さんは今日が初対面で緊張しているのか、おどおどしているように見えた。

「俺にお願いって何？」

俺は先輩らしく優しく聞き返した。

「あの～、さっきの先輩が試合やってたのを見て知ったんですが、先輩はツイストサーブを打っていたので出来れば私にも教えてもらいたいんですけど、お願いできますか？」

里中さんはすごく不安そうな顔をしながら俺に頼んできた。

「俺でよければいいよ、ちょうど俺ももっとツイストサーブの切れを良くしたかったんだ。だから一緒に練習しよっか」

俺はやる気があることが伝わってきたからなんだか嬉しくなっちゃって笑顔で答えた。

「本当ですか～？」

「本当だよ、一緒に練習してもっとうまくなろうね」

「やったぁ～、ありがとうございます高畑先輩」

里中さんは満面の笑顔で喜んでくれた。俺も里中さんの笑顔を見ていたら、自然と笑顔になっていた。

「どういたしまして」

俺はやさしく言った。

「そうだ、私先輩のこともっと知りたいんですけど隣いいですか？」

里中さんが勇気を出して言ってくれたのかすごくもじもじしていた。

「どうぞ、一人で見てるより誰かと一緒に見ていたほうが寂しくないしね」

俺はそう言って自分の隣をぽんぽんと叩いて誘った。

「じゃあ失礼します。」

そう言って里中さんは俺の隣に座ってくれた。