ミックスラブルス
俺は三人で練習するのがなんだかわくわくしてきて早く練習を始めたいと思ったから思い切って提案してみた。

「そうだね、練習は早めに始めるに越したことは無いもんね」

「本当ですか、まさか今日からやっていただけるなんて思ってませんでした」

「俺もまさか二人とも同意してくれるとは思わなかったよ」

花原さんも里中さんもどうやら早く練習を始めたかったらしくあっさり同意を得られた。

「ねぇ高畑くん、私も隣・・・いいかな?」

花原さんが里中さんの反対側の俺の隣を指差して少し恥ずかしがりながら聞いてきた。

「もちろん、どうぞ」

俺は里中さんの時と同じように自分の隣をぽんぽんと叩いて誘った。

「じゃあお邪魔させてもらうわ」

そう言って花原さんは俺の隣に座った。そして三人で他の人のテニスの試合を見ながら、テニスのいろんなことについて話し続けた。すると思ったより時間は早く過ぎてしまってあっという間に部活最後の集合になった。

「部活を終わるから全員集合」

雷門部長が大声でみんなを呼んだ。

「はい」

みんな返事をしてから雷門部長の元へ向かって走った。雷門部長の隣にいた上島先生は、全員が集合したことを確認して話し始めた。

「今日も練習お疲れ様、今日は新しい仲間を迎え入れての練習だったが仲良く出来たか?一年生も今日はちゃんと練習を見学してどういう練習をしているのか理解をしたか?これから一緒に試合に臨む仲間だからな、仲良く協力し合って頑張るように。それでは今日は解散」

上島先生はそういうと校舎に向かって歩いていった。みんなはそれを確認して帰る準備をし始めた。だが俺はさっき花原さんと里中さんと一緒に残って練習をしていくって決めてたから、ラケットを持ってコートへ向かった。

「さてと、もう少し練習していくか」

俺は大きく背伸びをしながら言った。

「高畑、お前は帰らないのか?」

雷門部長がカバンを背負いながら俺に聞いてきた。

「今日はもう少し練習してから帰ります」

俺は明るく返事した。

「分かった。怪我には気をつけろよ、じゃあな」

雷門部長はそう言って手を振りながら帰っていった。

「はい、お疲れ様でした」

俺は雷門部長に聞こえるように大声で言った。

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