ミックスラブルス

「じゃあ早速始めようか？」

花原さんが俺に近づいてきながら言ってきた。

「そうだなって里中さんは？」

俺は周りを見ながら言った。

「私はここですよ、高畑先輩」

いきなり背後から名前を呼ばれて俺はびっくりして飛び跳ねてしまった。

「どうしてそんなにびっくりするんですか？」

里中さんは不思議そうに俺を見てきた。

「そりゃあ背後からいきなり声をかけられたらびっくりするよ」

俺は何とか平静を装いながら答えた。

「まぁそうですね、今度からは正面から呼びますね」

里中さんはちょっと考えてから言ってきた。

「出来るだけそれでお願いしたい」

俺はそうしてもらえるとありがたいと思いながら言った。

「ねぇ高畑くん、最初は何から練習しよっか？」

花原さんが俺と里中さんの会話の最中に聞いてきた。

「そうだね、最初は里中さんがやりたがっているツイストサーブからやる？」

俺は自分なりの考えを提案した。

「それじゃあ先輩たちの時間がもったいないと思います。だからそれぞれがやりたいサーブを練習するのはどうですか？」

里中さんが俺たちに気を使って提案してくれた。

「そうだね、そうすれば三人とも一緒に練習できるもんね」

花原さんもどうやら里中さんの提案に賛成らしい。

「じゃあそうするか？」

「そうしましょ」

「じゃあさっそく練習を始めましょうか」

練習することも決まって俺たちは練習を始めた。俺と花原さんはリバースサーブを練習して、里中さんはツイストサーブを練習することになった。長い間それぞれの練習を続けていたら、里中さんが俺にツイストサーブを見てほしいと言ってきたから俺は見てあげることにした。

「高畑先輩見ていてくださいね」

「あぁ、ちゃんと見てるよ」

俺はそう言って里中さんの後ろから様子を見ることにした。

「えい、痛っ・・・」

里中さんがサーブを思い切って打ちすぎたせいでラケットをすねにぶつけてしまったのだ。

「大丈夫か、里中さん？」

俺は里中さんに近付いて里中さんの足を見た。

「痛～い、足から血が出てきちゃった～」

里中さんはラケットをぶつけたせいですねから血が出てきていた。