ミックスラブルス
「こりゃあ保健室に行ったほうがいいな。立てるか?」

俺は心配しながら里中さんに聞いた。

「足が痛くて立てません」

里中さんが涙目になりながら言ってきた。

「じゃあしょうがないから俺が運んでってやるから保健室につくまで我慢してろよ」

そう言いながら俺は里中さんをお姫様抱っこした。

「ひゃあ・・・すいません高畑先輩」

里中さんは持ち上げられた時はびっくりしていたけど、その後は小さく縮こまっていた。すると花原さんが里中さんのけがに気付いたのか走って近づいてきた。

「どうしたの、里中さん?」

花原さんは里中さんのすねの怪我を見ながら言ってきた。

「サーブを打った時に勢い余ってラケットをすねにぶつけちゃったんだよ」

俺が保健室に向かって歩きながら説明した。

「そうなの、大丈夫里中さん?」

花原さんは里中さんの顔を見ながら里中さんに聞いてきた。

「すいません、迷惑をかけてしまって」

里中さんは申し訳なさそうに言った。

「しょうがねぇだろ、スポーツに怪我は付き物なんだからさ」

俺は里中さんを見ながら言った。

「そうだよ、怪我するほど一生懸命練習してた証拠じゃない」

花原さんもフォローしてくれた。

「ありがとうございます。そう言ってもらえると安心します」

里中さんは花原さんを見ながら言った。

「俺だって怪我ばっかししってからな。特に試合の時は」

俺は自分も怪我したことがあることを里中さんに伝えた。

「そうなんですか?」

里中さんが俺に聞いてきた。

「俺試合の時によくボールに飛び付くからそのまま着地した際に膝とか擦りむいたりしちゃうからね。俺無謀なプレーが多いからさ」

俺は自分のドジ話をしていることが恥ずかしくて笑って誤魔化した。

「そうなんだよ、高畑くんこれまでに何回もユニフォームを血に染めて帰って来てみんなでびっくりしてたんだから。だけど上島先生はそういう他の人じゃやらないようなプレーをやるからこれまで勝ってこれたんだと思うって言ってたんだよ」

花原さんが何だか誇らしげに言った。

「そうなのか?」

俺は花原さんが言っていたのがあまり信じれず聞き返した。


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