ミックスラブルス

「そうだよ。上島先生が高畑くんが試合で怪我してるのを見ながら言ってたもの」

花原さんは俺が納得できるように理由を教えてくれた。

「そうだったんだ、俺はこれまで無謀なプレーはあまりいい評価はされないと思ってたけどそういう考え方もあるんだ」

俺は花原さんの説明に納得した。
色々話しながらも急いで保健室に俺たちは入った。

「先生、里中さんがラケットをすねにぶつけてしまったんで見てあげてください」

俺は保健室に入るなり先生に里中さんの怪我を見てもらうために入り口の近くにあったベットに里中さんを座らせて、先生を呼んだ。先生はすぐに駆けつけてくれて、里中さんの怪我を見てくれた。

「ラケットで切っちゃってるね、あとぶつけたせいでアザまでできてるから痛かったでしょ」

先生はそう言いながら里中さんの怪我を治療してくれた。

「ありがとうございます先生。里中さん足はもう大丈夫？」

俺は先生の説明を聞いて余計心配になっていたせいか、すごく不安な気持ちで里中さんに聞いていた。

「大丈夫ですよ、心配させてしまってすいません高畑先輩、花原先輩」

里中さんは申し訳なさそうに俺たちに頭を下げた。

「気にするなよ、これも先輩として当たり前だからさ」

「そうですよ、真剣に練習してて怪我をしてしまったんですからしょうがないですよ」

俺が里中さんが心配しないように優しく言ってあげると、花原さんも俺の後に続いて心配させないように言った。

「ありがとうございます、そう言ってもらえると安心できます」

里中さんは笑顔で言ってきた。

「やっと笑ってくれたか、よかった～」

俺は里中さんに笑顔が戻ったことに安心して少し脱力してしまった。

「よかったね高畑くん」

花原さんも里中さんに笑顔が戻ったのが嬉しかったのか、笑顔で俺に言ってきた。

「そうだな、よかったよかった。」

俺も笑顔で花原さんに言った。
俺たちが話している間、里中さんは俺たちの様子を見ながらなんだか考え込んでいた。

「どうしたの里中さん？何考えてるの？」

里中さんが何かを考えているのに気づいたのか、花原さんが心配そうに里中さんの顔を覗き込んだ。

「一つ聞いてもいいですか？」