ミックスラブルス
「ほ、本当だよ、ね、花原さん」

俺は自分だけではどうしようもないと思ったから、花原さんに手伝ってもらおうと考えて目で花原さんに合図を送った。

「え、えぇ、そうだね、まだそんな関係じゃないね」

花原さんはまさか話を振られるとは思っていなかったらしく、おどおどしながら答えてくれた。

「ふ~ん、まだか~、じゃあまだ大丈夫なんだ」

里中さんは何の事だか分からないが納得していた。

「まだ大丈夫ってどういうことだよ」

俺は里中さんが言ったことが気になったから里中さんの顔をじっと見ながら聞いた。

「高畑先輩には秘密です」

里中さんは何かを企んでいるような笑顔だった。

「何でだよ、教えてくれたっていいじゃないか」

俺はどうしても里中さんの秘密って言ったことが気になって追求した。

「そんなに女の子の秘密を追及しちゃダメですよ高畑先輩」

里中さんはニヤニヤしながら言ってきた。俺は里中さんのニヤニヤしている顔を見て何かを企んでいると思った。

「何を企んでるんだ里中さん」

俺はもう一度だけ追及した。

「だから何にも考えてないですよ~」

里中さんは怪しすぎるほどに明るい笑顔だった。

「そこまで言うんだったらこれ以上は追求しないよ」

俺は確かに里中さんが何を考えているのかすごく気になったが、これ以上追求しても意味が無いと思ったから今回はこのくらいで追求するのをやめることにした。

「ありがとうございます、大丈夫ですよ、いずれ分かりますから」

「そうか、ならその時まで待ってることにするよ」

「そうしてもらえるとありがたいです」

相変わらず満面の笑顔で里中さんは言ってきた。俺はいったい何を考えてるんだかと思うと、自然とため息が出た。

「それじゃあもうそろそろ帰りません?」

里中さんはそう言ってさっきまでの怪我がなかったかのようにさっと立った。

「おい、もう足は大丈夫なのか?」

「はい、先輩がここに運んでくれたおかげで大丈夫です」

「そうか、でも無理はするなよ」

「心配してくれてありがとうございます高畑先輩」

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