ミックスラブルス

「そりゃ羨ましいさ、俺彼女できたことないからさ」

俺はいきなりの質問にビックリしたが正直に答えた。

「そうだよね~、私もこれまで彼氏できたことないから羨ましいよ」

花原さんはそうさらりと言った。

俺は花原さんの発言に驚きを隠せずびっくりしてしまった。

なぜなら花原さんは、とても長髪の似合うかわいい人だからと男子の中では注目されているから彼氏はすでにいるのだと思っていたからである。

「私に彼氏いたことのがそんなにびっくりした?」

びっくりしている俺を不思議に思ったのか、花原さんが顔を覗き込んできた。

「そりゃびっくりするよ」

俺は正直に答えた。

「何でびっくりするの?」

俺に理由を聞いてきた。

「だって花原さんはテニス上手だし、見た目だって明るくてすごくかわいいと思うから」

俺は素直に返事した。

「そ、そんなことないよ、私テニス上手じゃないし、かわいくもないし」

花原さんは両手を顔にあてながら顔が真っ赤になっていた。

「そんなことないよ、俺は花原さんはとてもかわいくて、テニスだって本当に上手だと思うよ」

俺はムキになって本心を言ってしまった。

「何を言ってるんだ俺」

そう思い俺は恥ずかしくなって両手で口をふさいだ。

「高畑くん」

花原さんに呼ばれて顔を上げた。

「ありがとう、少し自信が持てた気がする」

花原さんは顔を真っ赤にしながらも笑顔だった。

(なぜ花原さんが真っ赤になったのかは今の俺にはわからなかった。)

ガララ

教室のドアが開く音が鳴った。

「みんな席に座って」

新しい担任の先生が入ってきた。

そのまま何も変わったことなく、HR・入学式・始業式を終え、放課後になった。

俺は光輝と一緒に上川さんと花原さんを家に送るために4人で下校した。

上川さんと花原さんの家は近くにあるのでいつも一緒に帰っているそうで、光輝と上川さんが付き合いだしてから4人で一緒に帰るようになった。

「明日から部活だよ~、みんなで頑張ろうね、光輝」

上川さんは光輝の腕に抱きついた。

「そうだな、また明日から頑張らないとな」
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