ミックスラブルス
「そ、それは・・・・・龍、助けてくれ親友だろ」

上川さんは光輝が何を言おうが全く聞く耳を持っていなかったために自分だけではどうしようも出来なくなった光輝は俺に助けを求めてきた。

「自分で言っちまったんだから仕方ないだろ、俺は先に花原さんと帰ってるからごゆっくりどうぞ。じゃあ行こうか、花原さん」

俺はそう言って花原さんに近づいた。

「そうだね、じゃあさや、中山君また明日ね」

「生きて明日また会おうな」

俺と花原さんは二人にそう言って再び歩き出した。

「待ってくれ~、俺を置いて行かないで~、さや勘弁してくれ~」

「問答無用」

「ぎゃあ~」

光輝が上川さんにやられている中、俺と花原さんは振り返りもせずに先に帰った。
お互い何も喋らずに歩いていると花原さんが俺に話しかけてきた。

「ねぇ、高畑くんは今日来た転校生の明西さんの事どう思ってるの?」

花原さんは俺の顔を覗き込みながら聞いてきた。

「俺・・・俺はきれいな人だな~と思っただけだよ」

俺は包み隠さず正直に答えた。

「そうなんだ、確かに明西さんきれいだったもんね」

「そうだな、しかも優しかったし」

俺は空を見ながら言った。

「そうなんだ、なんだか私明西さんには敵わないような気がするなー」

花原さんはそう言って落ち込んでしまった。

「そんなことないよ、花原さんだって負けてないからさ、しかも花原さんはきれいというよりかわいい系だと俺は思うんだけど」

俺は花原さんを慰めようと花原さんの顔を覗き込んだ。

「そうなの?私ってきれい系よりかわいい系のほうなの?」

花原さんが俺にびっくりしたような顔をしながら聞いてきた。

「ただ俺から見て花原さんはすごくかわいいと思っているだけで、きれいじゃないってわけじゃないよ」

俺は心配されないように笑顔を見せた。

「やだ、かわいいだなんて、恥ずかしいよ~」

そう言いながら花原さんは顔を赤くしながら両手で頬を押さえた。



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