ミックスラブルス
俺は自分の練習に満足しながら川沿いを歩いていた。ここは俺が風の音を聞いたり、川の流れる音を聞きながら落ち着ける場所だからだ。

「きゃあ、やめてください」

俺が気持ちよく歩いていると前方に見える橋の下から女の子の悲鳴が聞こえてきた。

「何だ今のは?」

俺は急に聞こえてきたからびっくりしてしまった。

「とにかく行ってみるか」

俺は走ってその声が聞こえた所に向かった。

「やだ、離して」

「うるせぇ、おとなしくしろ」

やっと辿り着いたと思ったら、そこでは大学生が二人で女子高生に絡んでいた。

「ん、あれは助けないとヤバイな」

俺はそう考えてその女子高生の元に全力で走った。

「おまえら、何してる」

俺は大声で言いながら女子高生と二人の大学生の間に割り込んだ。

「てめぇ何しやがる」

「それはこっちの台詞だ」

大学生は俺を睨みながら言ってきたから、俺も睨み返した。

「大丈夫か?」

俺は後ろでおどおどしていた女子高生に優しく言った。

「だ・・・大丈夫です」

女子高生は弱弱しい声で返してきた。たぶんこの大学生たちに怯えていたんだろう。ここは俺が何とかしなければ・・・。

「この子に手を出すな、怯えてるだろう」

おれは大学生たちの様子を見ながら言った。

「あぁ、怯えてた、そんなの俺たちには関係ねぇんだよ」

「だからそこをどいておとなしくその子を渡してもらおうか」

そう言いながら大学生はどんどん俺との距離をつめてきた。俺はどうやってこの子を逃がそうか考えていた。

「あぅぅ・・・」

女子高生も声が出ないくらいに怯えきっていた。俺はその女子高生の様子を見てどうするか決心した。

「それ以上近づくな、それ以上近づいたら容赦しねぇぞ」

俺はそう言って大学生たちを睨んだ。そしたら大学生たちは怒ったのかすごい目つきで俺を見てきた。

「やれるもんならやってみろ」

大学生はそう言うとまた一歩近づいてきた。俺は意を決して大学生に飛び掛った。
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