ミックスラブルス

大学生二人を押し倒して二人を抑えた。

「今だ、早く逃げろ」

俺は女子高生に大声で言った。

「え、でも」

女子高生は困り果てて動けなくなっていた。

「いいから早く」

俺は再び大声で言った。

「・・・・・うん」

女子高生はうなずくと足早に走って行った。俺が女子高生が走っていくのを見ていたら大学生が抵抗してきた。

「じゃまだ、どけ」

その後俺は大学生二人にタコ殴りにされてその場に倒れこんだまま置き去りにされてしまった。

「あぁ、何とか助けられたからいっか、痛っ・・・」

俺はその場に倒れこんで痛みに耐えながら沈みかけた夕焼けの光を見ていた。そしたら急に頭の上から声がしてきた。

「大丈夫ですか？」

「このくらい大丈夫ゲホっ・・・」

「動いちゃダメですよ、安静にしててください」

そこに立っていたのはさっき俺が逃がした女子高校生だった。その子は俺が起きようとしたらダメだと俺を抑えた。そのとき俺はその子の顔をよく見てびっくりした。

「明西さん？明西さんだったのか」

俺が逃がした子は最近転校してきた明西さんだったのだ。

「はい、そうですけど今気づいたんですか？」

明西さんは俺を不思議そうな顔をしながら見てきた。

「あぁ、大学生のほうにばっか集中してたからぜんぜん気づかなかったよ」

俺は気づかなかったことがばれて照れくさそうに言った。

「そうだったんだ、ならしょうがないね」

明西さんはそう言いながら俺の横に座った。

「さ・・・さっきはありがとう、もし高畑くんが来てくれなかったら私ひどい目にあうところだったから」

明西さんはなんだか照れくさそうに言ってきた。

「何言ってるんだよ、俺はただ当たり前な事をしたまでだよ。それより怪我はないか？」

俺はそう言いながら明西さんのことを心配した。

「私は無いですけど高畑くんは自分の心配をしたほうがいいんじゃないの？」

明西さんはそう言って俺を見下ろしてきた。

「確かにそうだな。まぁ明西さんが怪我をしてなかったんじゃよかった」

俺は安心して息をフゥッと吐き出した。

「ごめんなさい、私ばっか無キズで高畑くんはそんなに怪我してるのに」