ミックスラブルス
「うわぁ、あぶねぇ」

俺は予想もしていなかった水村のサーブにこれはやばいと動揺して焦ってしまった。しかし、ちゃんとリターンを返すことが出来た。

「フッ」

だが水村の正面に打ち返してしまったせいで見事に右サイドギリギリにフラットを打ち込まれてしまった。俺は球に追いつくこともできずに決められてしまった。

「やばい、これは攻めなきゃ負ける」

俺は今の１ポイントの出来事から守っていたらやられると思い、思いっきり攻めることにした。

「１５対０」

水村は俺が位置に着いて構えたのを確認すると再びフラットサーブを打ってきた。今回は俺もちゃんと対応して強くストレートに打ち返した。そしたら今回は水村が俺が打ち返した球に対応しきれずラケットが届かなかった。

「よし」

俺はうまくいったのが嬉しくってガッツポーズをした。これなら勝てると俺は思ったが現実そんなに甘くは無かった。

「１５オール」

カウントを言ってから再び水村はサーブを打ってきた。しかし今回はフラットサーブではなくスライスサーブをボディに打ち込んできた。俺はすぐに対応して強く打ち返したら水村は俺が打ち返した球をつなぐようにトップスピンをかけて打ち返してきた。俺もその後は安定したトップスピンで対応して打ち返したら、そのまま２０回くらい続く長い打ち合いになってしまった。

「しつこいな、どうすれば・・・しまった」

俺は考えながら打っていたら球をフレームで打ってしまったせいで大きなロブを上げてしまった。ロブは水村側のコートの中央に落ちようとしていた。

「もらった」

「まずい」

水村はこのロブを逃さないといわんばかりにダッシュでボールの落下地点に立ってスマッシュを打つ構えをした。俺はそんな水村の行動を見ていつ打たれても対応できるようにステップを踏みながらしっかり構えた。

「くらえ」

水村は大声を出しながら思いっきりスマッシュを打ってきた。スマッシュは俺の右側の端に目に留まらないスピードで飛んできた。俺はそのスマッシュボールにダイビングで飛びつこうとしたがラケットが届かなかった。

「おっしゃあ」

「くそぅ、何やってんだ、集中しろ」
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