ミックスラブルス
俺がこのように考えてしまうのは親から周りから見て厳しい教育を受けてきたからである。俺の家族は俺と両親の3人家族で両親は若いころ何度も賞状を受賞していたテニス部のある学校で活躍していたテニス経験豊富な両親でしかも二人とも若いころは周りから努力のたまものと呼ばれるほどテニス教室などには通わずに自分で考えた練習で表彰台に立った人たちだから俺は親から毎日のように勝ちたければ努力あるのみと言われ続けてきたせいで知らぬ間に試合で勝つために努力することで体が疲れるのが当たり前になっていた。これまで遊ぶ時間を自主練習の時間にしていたためにテーマパークなでに遊びに行ったことがなかった。だから雷門部長に遊んでないだろうと言われた時に何で遊ぶのか不思議に思った。

「確かに練習して疲れないのは手を抜いてる証拠だけどな、そこで無理して体を壊したら元も子もないだろ。だから練習するのも大切だけど、それと同じ位休憩するのも大切なんだぞ」

雷門部長は俺のことが呆れたのか、ハァッとため息をつきながら休憩がなぜ必要なのか説明してくれた。これまでも友達に同じようなことを言われたりしてきたけど部長に言われると言葉に重さがあって同時に説得力があった。

「じゃあ雷門部長はどのようにして遊んでるんですか?」

「え、俺か?俺はー・・・大抵栞とデートに行くかなぁーなんて」

栞とは雷門部長の彼女でかつこのテニス部の副部長である立花先輩の下の名前のことである。雷門部長はデートというのが恥ずかしかったのか顔を少し赤くしながら頭を掻いていた。そんな先輩を見てると面白くてつい吹いてしまった。

「あぁ、お前今笑っただろ」

「すいません。先輩の表情が面白くて笑っちゃいました」

「なんだよそれ~、俺は正直に答えてやったのに笑うなんてさぁ」

「だからすいません先輩、そんなに拗ねないで下さい」

「拗ねてねぇよ。まぁどうするのかは高畑が自分で決めるんだから頑張れよ」

「ありがとうございます。一生懸命頑張ります」

最後に雷門部長が俺の前から去りながら言ってくれた言葉に俺は心から正直に答えられた気がした。
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