ミックスラブルス

俺がそう答えると明西さんは先に走って帰ってしまった。一人残された俺は観覧車の中で明西さんにキスされた部分を手でさすりながら告白の返事をどうするかだけで頭がいっぱいになっていた。しかしその場で考えても落ち着いて考えられないと思ったから家に帰ることにした。

「ただいま」

「あ、お兄ちゃんお帰り。どうだった人生初のデートは？」

「楽しかったよ」

「そうだったんだ。よかったね」

「あぁ、そうだな」

俺が家に入ると菜々が玄関に出てきて笑顔で今日の感想を聞いてきた。俺は何かあったと悟られないようにいつも通りの態度で答えてそのまま自分の部屋に入った。

「俺はどうすればいいんだ、全然分からない」

そう独り言を言いながら俺は布団に身を投げ出して部屋の天井を見上げていた。そのまま約１時間くらい考え込んだ後最終的に答えは出ずそのまま寝る準備をして明日の学校のために寝ることにした。

次の日、朝からなぜか落ち着かない感じのまま学校の教室に入った。いつも通りにクラスメートと挨拶をしていた時だった。

「ダーリンおはよう」

背後から大声で言いいながら明西さんが抱きついてきた。まさか今日も来るとは思ってなかったから飛び跳ねてびっくりしてしまった。

「お、おはよう」

「何びっくりしてるの、毎朝こうしてるのに」

そう言うと明西さんは頬を膨らませた。昨日あんなことを言われれば相手の態度が変わってないとびっくりするのは当たり前だと思うのだが、明西さんはびっくりしないらしい。

「ごめんごめん」

「もうしっかりしてよね」

明西さんは呆れた顔をしながら俺の目を見て言ってきた。あたふたしてるのがばれないように普段通りを装って答えた。すると明西さんは俺の耳元に顔を近づけてきた。

「告白の返事待ってるからね、高畑くん」

「え、あぁ分かってるよ、悪いけど待ってて」

昨日の告白のことを耳元で周りにばれないように言われて驚いたがすぐに返事を返した。

「じゃあもうそろそろ授業始まるから戻るね」

「そうだな、俺も席に戻るよ」

俺から離れながらそう言う明西さんの表情がとても明るくてすごくかわいく見えた。こうして明西さんとこれまでとあまり変わらない生活を送っていった。

それから三日後・・・