ミックスラブルス
今日の部活は試合が近いということもあって練習がすごくハードだった。ゲーム形式の練習の順番を待ちながら俺は明西さんになんて告白の返事をするかを考えていた。

「はぁ~」

「何ため息ついてんだよ、悩み事か?」

「そんなところかな」

答えが出てこなくてため息をついていると背後から光輝が声をかけてきた。

「龍はいいよなぁ」

「何でだよ」

「だって毎朝あの美人転校生である明西さんにダーリンって跳び付かれてさ、もう学校中で噂になってるぞ」

「噂ってどんな?」

「そんなの決まってんじゃん、龍と明西さんが付き合ってるってさ」

「えぇ~、そんな噂があるのか?」

「あぁ、あるよ。というか違うのか?」

まさかそんな噂がたっていたことにびっくりして飛び跳ねてしまった。そんな俺に噂の真相を聞きたいのか光輝は俺の隣に座って何かを期待しているかのように聞いてきた。

「違うよ、明西さんとはただの友達だって」

「本当か?じゃあ何で明西さんはあんなに龍ばっかり相手にしてるんだ?俺には気があるとしか思えないが」

「う・・・」

光輝の言っていることが余りに鋭くて俺は言葉を失った。確かに前、遊園地に一緒に行った時に観覧車で告白されたからこれまでの行動がまったく気がないとはいえないのだがここはなんて答えるべきなのかわからなくなってしまった。

「どうなんだよ、龍?お前ならなんか知ってんじゃないのか?最近一緒に帰ってるみたいだし」

「そ、それは・・・確かに一緒に帰ってるけど、明西さんがどう思ってるかなんて俺には分からないよ」

「まぁ確かに相手の気持ちを知るのって難しいよなぁ」

「そ、そうだな」

ごまかして悪いと心の中で光輝に謝りながらうまく光輝の話に合わせて変に追及されないようにした。

「龍、コート入って試合始めろ」

「はい」

先輩に呼ばれて俺は光輝を置いてコートに向かった。その後もずっと噂のことで頭がいっぱいになっていたせいで部活に集中できなかった。ハァッと大きなため息をつきながら部活を終えて帰宅するために校門に向かって歩いていたら校門のところに明西さんが立っているのを見つけた。

「明西さん、そこで何してるの?」

「高畑くんを待ってたの、話がしたくて」
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