ミックスラブルス
「うん。嘘じゃないみたいだよ」

「そうなんだ。そりゃ好きな人を先に取られて泣かないわけないよね」

「うん」

さやも私が話を聞きながら静かに隣に腰掛けた。

「だけどまさかあの明西さんと高畑くんが付き合うなんて意外だな」

「確かにそうだね。何で明西さんなんだろう」

「それはまだりさが高畑くんに謝ってないからじゃないの」

「やっぱりそうかな？何であの時高畑くんを叩いちゃったんだろう私。叩いてなければ今頃普通に仲良く話せたのはずなのに」

そう言いながら練習試合のときに高畑くんを叩いたのを思い出してしまい。もう高畑くんと仲良く話せないのかと思った瞬間、これまでに感じたことのない寂しさを感じて私は再び両手で顔を隠すようにして泣き出してしまった。

「何泣いてるのりさ。泣いてたって何も始まらないよ。泣いてる暇があったら早くどうすれば高畑くんと仲直りできるのかを考えなよ。て言っても泣かないのは厳しいか」

「そ、そうだよ。私はこれからどうすればいいの？」

「う～ん、まずは高畑くんと仲直りをすることだね。それが今回の一番の原因なんだから早くどうにかしないとまた何か起きちゃうよ」

「うん、そうだね。確かに原因を作ったのは私自身なんだから自分でどうにかしなくちゃだめだよね」

そう言いながら私は決意を新たに両手で涙をぬぐった。私に何ができるかわからないけどできるだけのことをしようと思えた。

「ようやく決心がついたようね。それじゃあ早く部活に行こう。みんなもう練習始めてるよ」

「そうだね」

そう少しの不安を持ちながらも自信に満ちた笑顔で答えて私は部活に向かった。

それから三日後…。

高畑くんと仲直りをしようと頑張ってはいるつもりだったんだけどあまりにも高畑くんを意識しすぎた成果、これまでの三日間失敗ばかりしてしまった。
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