ミックスラブルス
「心配してくれてありがたいけど忙しいのに悪いよ」

「それなら大丈夫。さっき家に今日は遅くなるって連絡しといたから」

断ろうとしたのに笹本くんは真っ直ぐな眼差しで大丈夫と言ってくれた。そのとき笹本くんの真っ直ぐな眼差しを見てもしかしたら私の悩みを解決するアイデアを考えてくれるかもしれないと思い相談してみることにした。

「それじゃあ相談お願いしてもいいですか？」

「もちろん。何か相談したいことがあったらあんまり役に立たないかもしれないけど俺に聞いてよ」

「うんわかった。ありがとう」

「よし、じゃあ早速ここで相談するのもなんだしすぐ近くにファミレスがあるからそこでドリンクバーでも飲みながら話そうか。部活終わったばかりで喉も渇いてるわけだし」

「そうだね」

「じゃあ行こう」

「うん」

こうして笹本君と一緒に十分位お互い何も話さずに歩いていき目的地であるファミレスに到着した。席に着くなりドリンクバーを二つ注文してドリンクを取りに行こうとした。

「俺が取りに行ってくるから座ってていいよ。花原さんは話す内容をまとめといて」

「うん」

そう言って私の返事を確認すると笹本くんはドリンクバーを取りに席を離れた。私はその間に何から笹本君に話せば分かりやすく説明できるかを本当に話していいのだろうかと不安を抱きながらもずっと考えていた。

「ハイこれで大丈夫？」

「はい、ありがとう」

笹本くんが麦茶を持ってきてくれたので私は申し訳なく思いながらも礼を言った。笹本君も何を持ってこようか悩んでいたのだろう、私が礼を言うと表情が明るくなった。そして少し嬉しそうに私の向かいに座って麦茶を飲み始めた。

「じゃあ本題に入るけど、花原さんはいったい何を悩んでるの？」

麦茶をある程度飲むと笹本くんがそう真剣な表情で私に聞いてきた。そんな笹本君の表情を見て私は聞いてみようと決心した。

「三日前の部活の準備を部室でしてるときに部室の前を通りながら話してる高畑くんと中山くんの会話が聞こえたの。その内容は、高畑くんが明西さんと付き合い始めたって言う内容で、私は長い間高畑くんのことが好きだったから明西さんに取られちゃったって思うと急にすごく寂しくなって、そのことをずっと悩んでて最近失敗してばかりなの」
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