ミックスラブルス
私が考えた説明を話すと笹本くんは上を見ながら頷いた。そして私の方を再び見てきた。

「仲良く接してればこんなことにはならなかったと思うんだけど、高畑くんと何かあったの？最近話してないみたいだけど」

笹本くんは一言も聞き落とさないと真剣な表情で聞いてきた。

「この前の聖城との練習試合のときのこと覚えてる？」

「覚えてるよ」

「あのときに私が高畑くんを叩いちゃったからなんだかお互い話しかけづらい関係になっちゃったんだ」

「そうゆうことだったんだ。最近なんで高畑くんと話してないのかすごく気になってたんだよね」

「そうなんだ」

「そうだよ。そのせいで花原さんから笑顔がなくなったのも知ってる」

「え、そうなの？」

「そうだよ。いつも心ここにあらずでため息ばかり出てた」

「私周りからはそんな風に見えてたんだ。周りの人に気づかれないように普通を装うと頑張ってたんだけどな」

「まぁね。だけどこの悩みを解決する方法は自分でも分かってるんだよね？」

「うん。高畑くんと仲直りをすること。だけどお互い話しかけにくい感じになっちゃったし、その上最近はずっと明西さんが側にいるからね」

「なるほど。何か対策を考えなくちゃならないね」

「うん。なんだかごめんね。こんなこと相談しちゃって」

「ううん、いいよ。元々話を聞くって言ったのは俺からなわけだから気にしないで」

「ありがとう」

「どういたしまして。ちょっと話が横道逸れちゃったから戻そっか」

「そうだね」

この時私は笹本くんに悩みを打ち明けたことによって少し気持ちが落ち着いてきたのを感じ始めた。

「問題はどのように高畑くんと仲直りをするかって事だから、どうにかして高畑くんと話をするきっかけを作らないといけないわけだ」

「うん。そうなんだけど高畑くんが一人の時に話しかけようとすると明西さんがすぐ来ちゃうし、だからといって授業中に話しかけるわけにはいかないし。どうすればいいか分からないの」

私が少し身を乗り出しながら真剣に話すと笹本くんは再びうつむいて考え込んでしまった。そして少したってから何か思いついたのか、少し不安そうに顔を上げた。
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