ミックスラブルス
自分のことを役に立てるかわからないと笹本くんが言ったとき、なぜかそんなことはないよと気持ちよりも先に言っていた。相談に乗ってくれただけなのにこんなに人の心を楽にさせるのができることを体験していたから自然と口から言葉が出てきたのだとこの時私は思いました。私がそう言うと笹本くんはなぜかびっくりしている反面、なんだかすごく照れながら喜んでいるように顔を少し赤色になりながらも最後はいつもの笑顔でお礼を言ってきた。

「どういたしまして。だから早く買出しの手伝いに行ってあげて、私は大丈夫だから」

「分かった。じゃあお金は払っとくね」

「自分の分は自分で出すから大丈夫だよ」

「俺が誘ったんだから今回くらいは奢らせてよ。話の最後まで付き合えなかったってこともあるからさ」

「そういうことでしたら今日はドリンクバーありがとうございます。気をつけて帰ってくださいね」

「ありがとう。それじゃあまた明日学校で」

帰る支度を整えて伝票を持ちながらそう言われて私は慌てて私もお金は払いますと言ったのですが笹本くんに話の最後まで付き合えなかったからと言われ、断りづらかったので今回はお願いすることにした。

「笹本くんに話したおかげで楽にはなったけど、何であんなに親身になって相談してくれたんだろう?」

笹本くんがすごく真剣な気持ちで私のことを見ていることにまったく気づけないまま一人でゆっくり時間の流れを感じながら家に帰りました。

翌日、朝いつも通りに登校していると校門のところに笹本くんが誰かを待っているのか周りをきょろきょろ見回しながら他の人の邪魔にならないように立っていた。

「おはよう笹本くん。そんなところでどうしたの何してるの?」

「おはよう花原さん。花原さんと昨日の相談の続きをしようと思って待ってたんだ」

「そうだったんですか?ごめんなさいこんなところで相談してもらうために待たせちゃって」

「ううん大丈夫だよ。大体朝会う約束もせずに勝手に俺が待ってただけだから」
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