ミックスラブルス

俺は決意を示せるようにはっきりと返事をした。

「よし、その意気だ、まぁまず始めは俺らの試合を見ててくれ」

雷門部長が気を使って試合を見せてくれると言った。

「お言葉に甘えさせていただきます」

花原さんが先に答えた。

「じゃあ早速始めるか」

雷門部長が立花副部長の肩に手をのせて歩いていった。

「お互いを知る・・・か」

俺は雷門部長の後姿を見ながら呟いた。

「高畑くん、私の事・・知りたい？」

花原さんが俺の様子を疑って聞いてきた。

「せっかくダブルス組んだんだから知りたいよ、花原さんの事」

俺は花原さんを見ながら正直に答えた。

「そうだよね、私も高畑くんと組めたんだから高畑くんのこともっと・・知りたい」

花原さんは下を向きながら言った。

「それじゃあまず顔を上げなきゃね」

上川さんが花原さんの顔を後ろから上げさせた。

そしたらこれまででない距離で目が合って花原さんのあまりのかわいさにびっくりしてしまいつい見とれてしまった。

「あれ～、高畑くんそんなに見つめたらりさがもっとかわいくなっちゃうよ」

上川さんが俺が花原さんに見とれているのに気づいたのかニヤニヤしながらからかってきた。

「いや、そんなつもりじゃ、ただこんなに近くで見たの初めてだからつい」

俺は苦笑いしながら否定した。

だけど花原さんの顔を見てしまうとどうもそのかわいさに見とれてしまう。

「そ、そんなに見つめないで、恥ずかしいから」

花原さんは本当に恥ずかしいのか段々顔が赤くなっていった。

「あ、ご、ごめん」

俺は迷惑をかけたと思って焦って謝った。

「そんなにからかったらかわいそうだろ、さや」

光輝が上川さんを優しく注意してくれた。

「あ、そうだね、ごめんねお二人さん」

上川さんはそう言って花原さんから離れて光輝のそばに行った。

「さやあんまりいじめるなよ」

光輝は上川さんに優しくコツをした。

「てへ、ごめんなさい」

上川さんは光輝にコツされた部分を右手で抑えながら笑った。

「悪かったな龍、花原さん、これからダブルスだからお互い頑張ろうぜ」

そう言って光輝は上川さんを連れて先にコートへ向かっていった。