ミックスラブルス

「大丈夫だよ。確かに花原さんだけど私ももっと花原さんと仲良くなりたいし、何よりダーリンにずっと暗いままでいられるほうが私にとっては辛いから」

「そこまで言ってくれるならお願いするよ」

「うん、私に任せて。ちゃんと話してくるから」

明西さんのやさしい心遣いに気付いて、ここは優しさに甘えてお願いすることにした。だけどやはり返事をしている顔は何か悲しい表情をしていたのだった。

「はぁ、ダーリンはまだ花原さんのことを」

私明西　輝実は今ちょうど放課後になってみんなが帰り出してる教室にいた。昼休みにダーリンと約束したのはいいけど正直ダーリンが想いを寄せている花原さんと話すのはすごく辛い。だけどここで花原さんと話をしなかったらダーリンとも気まづい関係になってしまう気がしてそれだけは嫌だと思った。

「よし、ちゃんと花原さんとも向き合おう。もしそれが悲しい結果につながったとしてもダーリンが納得して決めてくれるならその方がいいと思うから」

そうぶつぶつ独り言を言いながら花原さんと話す覚悟を決めた。花原さんは今教室の自分の席にいるから話しかけるなら今がチャンスだと思って思い切って話しかけた。

「あの、花原さん」

「何？明西さん」

「話があるんだけど今から屋上で話さない？」

「いいですよ」

私が話しかけると花原さんは普通の対応をしてくれた。そのことが私を安心させたのかすんなりと聞きたいことが聞けた。そして私たちは誰もいない屋上へと歩を進めた。

「はぁ～、やっぱり屋上の風は気持ちいい」

「そうだね」

屋上に着くなり私は心地よい風を全身で受けながら大きく伸びをした。その少し後ろで花原さんはただ風を感じながら立っていた。

「それで話って何ですか？」

私がゆっくり風を感じていると後ろから花原さんが少し不安そうに用件を聞いてきた。正直聞くのが怖くて聞きたくないけどすごく大切なことだから、ちゃんと向き合って話し始めることにした。

「花原さん彼氏できたんだって。おめでとう」

「うん。ありがとう・・・」

彼氏ができたことを祝福するとなぜか花原さんは何だか悲しそうな表情で自分の足元を見つめた。そんな花原さんを見ていたら私の中の嫌な予感がどんどん大きく膨らみ始めていた。