†小悪魔の捕まえ方†
持ってるもの熱いくらいのココア。
ただ立ちすくむ福森に、
押し付けるように渡した。
「え。くれるの?」
「うん」
「じゃあお金・・・・・」
「いらね」
「そんなの悪いよ」
焦りながら鞄に手を突っ込んだ福森。
あー、もう。
「――――え?」
財布を握って鞄から出てきた手を、
押し戻すようにしてその手を握った。
「ほんとにいいから」
ぽかんと口を開ける福森の手から財布を取って鞄に戻し、
その代わりに
手にココアを握らせた。
ちょっと温くなったかな・・・
そんなことを思いながら、
ちらりと福森の顔を盗み見てみた。