†小悪魔の捕まえ方†
いやいやいやいやいや。
そんなまさか。
・・・・・・いやまさか。
「あー、もう。
なんかわかるな・・・・・・」
「え?」
いろいろ考えてる俺に、
顔を背けた福森からそんな言葉が聞こえた。
なんて言ってるのかよく聞こえなくて、
何気なくもう1回聞き返してみた。
「谷澤くんが女の子にモテる理由、
こういう気遣いなのかなーって・・・・」
福森の両手の中で、
ココアの缶がくるくる回されている。
マフラーの中に口をうずめて、
その表情なんかよくわからない。
「別に、なんも考えてねーし」
「あはは! だろうねぇ。
でもさ、それじゃダメだよ谷澤くん」
パッと顔を上げた福森。
そこには満面の笑みがあった。