†小悪魔の捕まえ方†
はい。きた。
ほら。きた。
絶対話題にしたくない。
「郁也ぁ、次なんだっけ」
「オーラル?」
「英語か。だりぃな」
「こらこらこらこら。
何、話を変えとんじゃい」
俺たちの話を遮るようにそう言った石倉は、
それと同時に持ってた紙を、
俺の目の前の机に叩きつけやがった。
石倉のその行動に、
俺の顔はゆっくり廊下へと向けられる。
朝から必死に
見ないでいようと思ってたソレ。
学校の掲示板と言う掲示板に
張られているソレ。
ほらみろ。
嫌な予感は当たった。
一瞬見えた文字。
一瞬でもほとんど読めてしまった見出し。
今ばっかりはこの動体視力を呪う。
【奥村高校☆王子様は、
2年3組 谷澤宙人君に決定!!!】