【長編】唇に噛みついて
プレゼント
⌒⌒Kiyona
\/side
「ん……」
ゆっくりと目が覚め、あたしは静かに目を開けた。
あれ?
あたし……。
ゆっくりと頭を上げて横に視線を向けると、須藤がスースーと寝息をたてていた。
そうか。
昨日……須藤が、一緒に寝ようって言って。
気づいたら寝ちゃってたんだっけ。
長いまつ毛。
キメ細かい肌。
普段とは違う幼く見える寝顔。
ホントに……羨ましいくらいに、整ってる。
思わず見惚れてしまう須藤の寝顔を見つめ、あたしはそっと須藤の髪の毛に手を伸ばした。
引っ掛かる事もなく、あたしの指は須藤の髪を通り抜けていく。
愛しいその寝顔を見て、思わず笑みが零れた。
……その直後。
パチ。
突然須藤の目が開く。
そして目が合うと、須藤はニヤッと笑った。
「何、寝込み襲おうとしてんの?」
「なっ、ちっ」
違うわよ!!
そう言いたいけど、驚いて言葉が出ない。
寝起きだというのに、あたしの顔は真っ赤。
そんな顔を見て、須藤はクスッと笑う。
「きーちゃん、顔真っ赤」
そう言われて、あたしは須藤をキッと睨んだ。
「誰のせいでこうなってると思ってんのよ」
真っ赤な顔のままでムスッとすると、須藤はあたしの頬を撫でた。