【長編】唇に噛みついて
約束
⌒⌒Kiyona
\/side
文化祭も無事終えて……。
後夜祭参加する零と別れて、あたしは1人帰宅した。
何か疲れちゃったなぁ……。
真寿美ちゃんの事とか、りっちゃんの事とかいろいろあって、今日はいつも以上に疲れた気がする。
それだけじゃない。
零と一緒にいると、女子の視線が痛くて。
何となく気が抜けなかった。
「くぁ……眠い」
バッとベッドに倒れ込んで、あたしは大きな欠伸をする。
時計を見ると、10時を回っている。
今日はお風呂入って早く寝ようかな。
あたしは重い体を起き上がらせて、バスルームへ向かった。
……―――。
長風呂をしてあがると、あたしはまたベッドに倒れ込んだ。
そしてゆっくりと目を閉じて、眠ろうとした時だった。
ピンポーン。
と、インターホンが部屋に鳴り響く。
その音を聞いて目を開けて、あたしはため息をついた。
……こんな時間に誰?
安眠妨害をされ、ムスッとしながらあたしは起き上がってゆっくりと玄関へ向かう。
そして髪をいじりながら、ドアノブに手をかけて開ける。
すると制服姿の零が立っていた。
え?
「零?どうしたの?こんな時間に……」
キョトンとしながら聞くと、零はいつもの調子の無表情で口を開いた。
「今日……泊まっていい?」
「えっ」