【長編】唇に噛みついて
別れ。
⌒⌒Kiyona
\/side
「ええぇ~~~!!?」
日曜日。
とあるファミレスで、そんな真弓の叫び声が響き渡った。
周りのお客さんも、お店の人も。
何の騒ぎだとこちらに視線を向けてくる。
「シー!!ちょっと場所考えてよ」
あたしはその視線に慌てて口元に人差し指を立てて、真弓を黙らせる。
するとハッとした真弓も慌てて口元を押さえた。
「ごめ……。でも、何で!?幼馴染くんって何?告られたってどういう事よ?」
そう言って真弓はグイッと顔を近づけてくる。
そう……。
今日は急遽、日曜日だけど昨日の事を真弓に言いたくて。
こうしてファミレスに来たって訳。
あたしはオレンジジュースをズズッと啜りながら真弓に視線を向ける。
すると真弓はまたさらに顔を近づけてきた。
「てか、須藤くんとはまだ微妙な感じなの?」
微妙……。
まぁ、そうなんだけどさ。
「うん。連絡取ってない……まま」
そう返事をすると、真弓はため息をついた。
そしてテーブルに頬杖をつくと、どこか下の方を見つめて独り言のように呟いた。
「なるほど……ギクシャクしてるのを狙って告白してきたって訳ね」
そう、なのかな……。
よく分かんないけど。
なんて考えていると、真弓はキッとあたしを睨んだ。
「何?」
「あんた、まさか……。須藤くんからその幼馴染くんに乗り換えようなんて思ってないでしょうね!?」
はぁ!?
「そんな事する訳ないじゃん!!!」