【長編】唇に噛みついて


男って……ホントに性欲の固まりだ。
性欲を満たす事しか考えてない。
満たす為なら、女の事なんて考えないんだ。
満たす為なら、浮気だってするんだ。


男なんて……。


あぁ。また涙が出てきた。
あたしは涙を服の袖で拭った。


もう男なんて信じない。


そう思った。




次の日。
あたしは癒えぬ傷の痛みを胸にしまい、会社へと向かった。


会社に着いてまずあたしは同じ課の同期の真弓に叫んだ。


「真弓ぃ」


「ん?どうしたの?」


真弓はキョトンとしながらあたしに視線を向ける。
そんな真弓の顔が可愛らしくて泣けてきた。


あたしも真弓みたいにおしとやかで可愛かったら。


「あの馬鹿野郎と別れたー!!」


「え!?」


そりゃびっくりするよね。
突然だもん。


あたしは泣きながら真弓に全部を話した。
真弓はそれを全部聞いてくれた。


「そっか……そんな事あったんだ」


悲しそうに俯きながら真弓は呟いた。


「うん」


すると真弓は今までの可愛らしさは消えて顔色が変わった。


「っとに、男って最低だね!」


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