【長編】唇に噛みついて
◆2◆
ドッキドキな看病
⌒⌒Kiyona
\/side
次の日。
久しぶりに暇な土曜日。
あたしは家でゴロゴロしていた。
「うーん……暇だなぁ」
そう独り言を呟くけど、特にやりたい事もない。
そんなこんなでお昼になる。
昨日の雨とは打って変わって、今日は晴天。
ボーっと青空を見つめていると、ソファーの上に放置していた携帯が鳴る。
♪~
ん?
その音に気づいたあたしは大きく伸びをして、携帯を手に取った。
画面を見ずに、通話ボタンを押して耳に当てる。
「はい。もしもし?」
こみ上げてくる欠伸を我慢しつつ話しかけると、電話の向こうから声が聞こえてきた。
『……俺』
その声を聞いてあたしは欠伸を止めた。
「またあんた?」
その声はまたまた須藤の声で……。
あたしは少し戸惑う。
だって……。
昨日のあの優しい笑顔とか。
ドキッとする事言ってきたりとか……。
とにかく昨日はいろいろあったから。
少し胸のドキドキが早くなる。
「……で、何?」
そう聞いてみると、返事がない。
……は?
電話してきておいて、何で返事がないのよ。
「ねぇ、何の用?」
『……助けて』
プツ。プー……プー……。