【長編】唇に噛みついて
すると真弓はニッと笑った。
「あたし今日の飲み会参加するぅ」
「は!?」
真弓の思いがけない言葉にあたしはギョッとする。
「真弓!間島くんは!?」
テーブルを乗り出して聞いてみると、真弓は頬杖をついた。
「別に……間島くんいるから飲み会行かない……なんて理由にならないでしょ?」
う……。
確かに……。
言葉が出なくて黙っていると、真弓はニッと笑った。
「あ!聖菜は須藤くんがいるから行きたくないの?」
「っな!?」
真弓の言葉に再びギョッ。
すると水谷が食いつく。
「あ!もしかしてあの高校生とうまくいってんの?」
「違うって!」
またその話かよ!
いい加減にして……。
ため息をついて呆れていると、真弓があたしの顔を覗きこむ。
「だったらいいじゃん。久しぶりに飲もうよ」
そう言われて、あたしは渋々OKした。
別に飲みに行くのは構わないんだけどさ……?
あたしはチラッと品川を見上げる。
と、品川はあたしを見下ろしていて、パチッと目が合ってしまった。
「聖菜ちゃん、今日は仲良くしようね♪」
こいつがいるっていうのが……。
嫌なんだけどな。