【長編】唇に噛みついて


睨んでいると、品川はまた嫌な微笑を浮かべる。


「関係あるよー」


「は?」


眉間に皺を寄せて品川に視線を向けると、品川はあたしに顔を近づけてきた。


「オレ、聖菜ちゃんタイプだし」


はっ!?


「いい加減にしてよね。信じる訳ないじゃん」


あたしは品川から逃げるように顔を逸らしてビールを飲む。
すると品川はニコッと微笑んだ。


「信じてよ。オレ結構女の扱いは上手い方だと思うよ?」


知らないわよ!そんな事!
こいつ絶対チャラ男。
ちょっと格好いい方だからって調子に乗ってるんじゃないの?
あぁ!キモい!
虫唾が走るわ!!!


酔い+品川のせいで気分が悪くなったあたしは、席を立った。
すると品川はそんなあたしの行動にすぐに反応する。


「あれ?聖菜ちゃんどこ行くの?」


「トイレよ!!」


あたしはわざとドタドタ歩いてトイレへ向かった。
その途中に……。


「あれ?聖菜?」


その声にあるテーブル席を見ると、あたしは目を見開いた。


「須藤!?」


って……。
こいつ何で居酒屋にいんのよ?
高校生でしょ!?


とは思ったものの、須藤は私服姿で……。
とても高校生には思えないくらい大人っぽい。


須藤と一緒にいる男子達もこれまた大人っぽくて……。
イケメンの友達はイケメンってか?


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