【長編】唇に噛みついて
品川の言葉に寒気を感じる。
あたしは両腕をかかえていると、須藤が口を開いた。
「聖菜……」
「え?」
突然さっきまで黙っていた須藤が口を開いて須藤を見上げると、品川を冷たい目で睨みつけたまま呟いた。
「聖菜が一緒に飲みに来た奴って……こいつ?」
「そうだよ」
あたしに問いかけた質問に、即答で品川が答える。
そして微笑みながら付け足した。
「あ。残念ながらあと2人いるけど」
そう言うと、須藤は低い声を出す。
「ふーん」
すると須藤を見て、品川は手を叩いた。
「あ!もしかして君、聖菜ちゃんと曖昧な関係の高校生?」
はぁ!?
品川の言葉にあたしはギョッとする。
すると須藤は顔色一つ変えずに答える。
「だったら何?」
……須藤?
いつもと違う須藤の怒りに満ちた声にあたしは須藤を見上げる。
てか!!
2人の間に火花が見える!!
どうしよう……。
須藤めっちゃキレてるし。
2人の間でアタフタしていると、真弓が現れた。
「品川!!!」
突然現れたかと思うと、グイッと品川の腕を掴んで歩き出した。
振り向きざまに真弓は笑顔で言った。
「変な事言ったみたいでごめんねー?失礼しまーす」