ばいばい
「…5時……。」
家以外で寝ることが苦手なあたしは、5時という、かなり早い時間に目が覚めてしまった。
まだ5時間も寝てないから、眠い。
だけど、もう寝れないと思ったあたしは、旅館の周りを散歩しに行くことにした。
「あー気持ちいーっ!」
海からの潮風にあたりながら、海を前にして伸びをしていると、見慣れた姿があった。
「ふふ。やっぱり康だ。」
「あれ?琴音じゃん。」
体育座りを少し崩したような座り方をした康が、こちらを向いた。
「隣、いい?」
「うん。」
あたしは、康の隣に座った。