ばいばい
さっちゃんの言う、神木萌(カミキモエ)…。
それは今、影で噂になってる人。
――一度好きになった男は
必ず手に入れる…――
まるで、一度狙った獲物は逃がさない、といったような…。
「知ってるけど…まさか、あの人が…?」
噂はよく耳にするものの、人が把握出来てなかったあたしたち。
美波が恐る恐る聞いた。
「…いや、分かんないけど…。
前のクラスの時の友達が、昨日、神木萌と高原が喋ってたって。」
あたしはその瞬間、鈍器で頭を殴られた気がした。