ばいばい

「先輩!」


「朝練すっぞ~!

あれ、彼女?

可愛いじゃん!

海月もやるなあ!」


「彼女じゃないっすよ!

ほら、朝練行きますから。」


そう言って、海月くんは行ってしまった。



「康のこと…、なんだったのかな…?」


あたしは誰もいない教室で、小さくつぶやいた。



もうすぐ、みんなが来る。

康が…来る。



「こと~!?!?!?」


そう思っていると、真ん丸目をした、美波とさっちゃんが来た。


「どうしたの、その化粧!」


あたしはあえて、明るく見せた。


「どう?似合うかな?」


「もう~、美波より濃くはならないでね、って前言ったのに~!

それに、こと、隠せてないよ!」


美波は、あたしの涙の後を、簡単に見破ってしまった。

…さっちゃんも…。



< 132 / 247 >

この作品をシェア

pagetop