ばいばい
美波の提案で、あたしたちはバド部の部室にいる。
「…ほら、そんなのことには似合わないの。」
美波があたしの化粧を落としていく。
「…神木萌でしょ?」
さっちゃんは、小さく聞いた。
「…うん。」
「はあ…。
なんでことは、目を腫らす前に美波たちに言わないの?」
「…だって…。
自分でもどうしていいか分からなくて…。」
あたしはまた泣いていた。
悲しいんじゃなくて、二人の言葉が嬉しかった。
「どうしていいか分からないなら、分からない、ってあたしたちに言っていいんだよ。
ことは一人じゃないんだよ?」