ばいばい

あたしはもう一度、深呼吸をした。


「康の方が…先…だったんだね!」


声が震える。


「…あぁ。

2日もごめん。」


「ううん!

…だっ……誰と帰ってるの…?」


駄目だ…、完全緊張がばれてる。


「ん。あぁ…一人だよ。

試合…が近くてさ、練習何時に終わるか…」


「…嘘。」


「…え…?」


「…もういいよっ!」


話が聞けなかった…。

あたしは走って坂を上っていった。


「…馬鹿だなあ…、あたし。」


あたしは坂を上りきってすぐ、堪えてた涙をすべて流した。



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