ばいばい


家に帰り、ご飯も食べないで部屋にこもっていた。

ベッドに寝転がっていると、遠くで鳴り響く携帯。

開いてみると、海月くんからの着信だった。


「…もしもし…。」


《琴音ちゃん?海月だけど。

今、出てこれる?》


「今…?」


あたしは電話しながら、階段を降りた。

玄関を開けると、降っていなかったはずの雨の中、傘を差した海月くんが立っていた。


「…雨の中…どうしたの?」


「…いや、俺が言うことじゃないんだけど…。

康のこと、信じてて欲しいんだ。

今、何が起きてるのかは…康から聞いた方がいいと思う。」



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