ばいばい
康の話を、一つ一つ、聞いていた。
「…それで…言ってくれたんだ…。」
「うん。」
「ありがとう。
すごいスッキリしたよ!」
「ごめんな。
不安にさせてること、気づかなくて。」
「ううん。ありがとう!」
あたしは、最近ずっと不安だった。
康が近くにいるのに遠かった。
だから、少しでも近くにいたくて…、近くにいても、…何か足りなかった。
でも、高校に入ってから、少し軽くなった理由を、初めて知った。
「こと…?」
「ん?」
「これからも多分、鈍いけど。」
康は照れ笑いしながら言った。