ばいばい
誕生日の夜
あれから、夏休みは台風のように早く去っていった。
そして、気付けば10月になろうとしていた。
「もう10月かあ…!」
「あれ?ことの誕生日、もうすぐじゃん。」
美波のぼやきで思い出したかのようにさっちゃんが言った。
「そうだよっ!」
あたしは10月1日生まれ。
10月になると同時にあたしの誕生日が来る。
「あー!美波まだプレゼント買ってない!」
「いいよ、全然。
ありがと!」
「今年の高原はプレゼントあるのかな?」
さっちゃんがあたしに聞く。
「さあ?どうだろうね。」
あたしは小さく笑いながら言った。