ばいばい


―――10月1日


「はい!誕生日プレゼント!」


美波の言ったとおり、朝から大雨が降っていた。

あたしがバッグを拭いていると、美波とさっちゃんが目の前にいた。


「あ、ありがとう!」


「ねえ、康くんから何か誘いあった?」


あたしの顔を覗き込むように美波が聞く。


「あ、うん。

《渡したいものがあるから帰りに家に寄って》

って言われたよ。」


「ほんとっ?

楽しみだね!」


「なんで美波が楽しみなの?」


あたしは笑いながら聞いた。

さっちゃんも同じく美波につっこんでいた。


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