ばいばい
中に入ると、康が玄関の目の前にある階段から降りてきていた。
「傘ささずに来たの?」
「だって隣だし。
いいかなあって。」
あたしは笑いながら答えた。
今日は大雨だったから、隣に行くだけでもかなり濡れてしまった。
「はい、タオル。
上上がっていいよ。」
「あ、ありがと!
今日みっちゃんは?」
階段をあがりながら、あたしは聞いた。
「8時頃になるって。
さっき電話入ってた。」
「そっか。」
久しぶりに入った康の部屋は、何も変わってなかった。