ばいばい
夏姉の言う通り、たくさんの星が輝いていた。
「…嬉しくない……。」
だんだん涙でにじんでゆく星空に向かって言う。
2年前、康が初めて告白してくれた日――。
あの日と全く同じ場所に腰かけ、空を見上げる。
「康…、ひどいよ…。
一人にしないでよ…。
…あたし一人で…星見たって楽しくない!
康がいないと楽しくないよぉ…。
ねえ…康…。答えてよーーっ!」
ねえ、今のあたしの声、聞こえた?
一番大きく光る星に向かって言ったんだよ。
あれがきっと康の星だと思ったから。
康は、あの日2人で見た、星になったんだよね?
あの日の星に―――。