ばいばい
空を見上げるあたしの頬に涙が伝う。
「ことーーっ!」
夏姉があたしを呼びながら来る。
「やっぱ今日は星が綺麗だねえ…。」
「うん…。」
夏姉は少し黙って、話し出した。
「康は…、きっと事故にあう前もあった後も、ことのこと考えてたんじゃないかな。
《生きて》って言う言葉も…きっと深い意味はなくて…。
ただ、ことに生きてほしかったんじゃない?
《ありがとう》よりも伝えたかった…、康の最後の願いだよ。
それを叶えられるのは…、ことだけだよ。」