ばいばい
急いでかけつけた夏姉があたしを抱き寄せる。
「こと……!?」
あたしの叫びを聞いたお母さん達もかけつけた。
「…お母さん達は心配しないで…。
あたしがなんとかするから…。」
夏姉は2人を部屋の外に出した。
そして、あたしを下へ降ろし、また抱き寄せてくれた。
ただ何も言わずに、抱きしめてくれた…。
「…康………。」
あたしが小さくつぶやくように言った。
「…こと……。
もしことが康くん追いかけていっちゃったら…あたしどうしたらいいの…?
康もこともいないなんて嫌だよ…。
ことまでいなくならないでよ…。」
「……なつ…ねえ……。」
あたしはギュッと夏姉を抱きしめた。