ばいばい


あたしは男の子の発言に思わず下を向いた。


―「…おねえちゃん…ないてるの?

どこかいたいの…?」


さっきまで外灯の下にいた男の子があたしの顔を覗いて言った。


「…だっ…大丈夫だよ!」


あたしは笑顔を作って見せた。


「こら、こう!

邪魔しちゃダメだろ。」


「だって、おねえちゃんないてるよ?」


「え…っ?」


あたしが振り向くと、男の子のお父さんと目が合った。





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